目次
診断支援AIの進化と信頼性
AI診断支援は、がんの画像診断や心電図の解析などで、医師の右腕として活躍しています。人間では見逃しやすい微細な異変も瞬時にキャッチし、精度向上に貢献。とはいえ、「AIだけに任せるのは不安」という声も。重要なのは、人とAIの協働。医師の経験とAIのロジックが合わさることで、より質の高い医療が実現します。
広がる遠隔診療の可能性
遠隔診療は、離島や過疎地の患者さんにとってまさに「命のインフラ」。通院が困難な高齢者や障害者の福祉的支援としても活用が進んでいます。2020年のコロナ禍を契機に普及が加速し、現在は多くの医療機関で対応が可能に。通信環境や機器の使いやすさなど、アクセシビリティの確保が今後の課題です。
医療ロボットとケアの自動化
医療ロボットといえば、手術支援ロボット「ダヴィンチ」が有名。ミリ単位の精密操作が可能で、患者への負担軽減にもつながっています。さらに最近では、介護支援ロボットが高齢者の移乗補助や見守りを行うなど、福祉分野への展開も進行中。人手不足を補うテクノロジーとしての期待が高まっています。
社会福祉との連携がカギ!
技術だけが進化しても、それを誰もが使えるようにする社会設計がなければ意味がありません。そこで重要なのが、医療と福祉の連携です。例えば、地域包括支援センターが高齢者にAI健康診断ツールの操作を支援したり、障害者が遠隔医療を活用できるようなサポート体制を整えたり。テクノロジーを“誰ひとり取り残さない”福祉の力が、未来の医療の本質をつくります。
次回予告
次回は「救急医療とトリアージの考え方」をテーマに、緊急度判定、災害医療、救急搬送など、限られた医療資源をどう配分するかを考えます。ぜひお楽しみに!
参考文献・実例
- 厚生労働省「AIホスピタル構想」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000206927.html - 日本遠隔医療学会「遠隔医療の未来」
https://jstelemed.org/ - 中日新聞「介護ロボット導入の現場最前線」(2024年3月)
- 医療福祉工学研究会「医療AIと倫理課題」(2023)
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