💰 国民年金法 💰
すべての国民の老後を支える ― 基礎年金制度の全貌
📑 目次
- 国民年金制度の理念と加入者数
- 年金制度の3階建て構造
- 保険料と受給額の推移
- 制度の歴史的変遷
- 実例から見る年金の恩恵
1. 国民年金制度の理念と加入者数
国民年金法は、1959年に制定され、すべての国民に基礎年金を保障する制度です。20歳以上60歳未満のすべての国民が加入対象となり、約6,700万人が加入しています。制度は第1号被保険者（自営業者など約1,400万人）、第2号被保険者（会社員・公務員など約4,500万人）、第3号被保険者（専業主婦など約800万人）の3つに区分されます。1961年に国民皆年金が実現し、すべての国民が老後の基礎的な生活保障を受けられる体制が整いました。
2. 年金制度の3階建て構造
日本の年金制度は3階建て構造です。1階部分は国民年金（基礎年金）で、すべての国民に共通の基盤となります。2階部分は厚生年金や共済年金で、会社員や公務員が上乗せで加入します。3階部分は企業年金やiDeCoなどの私的年金です。この構造により、職業や収入に応じた適切な老後保障が実現されています。基礎年金の満額は年間約81.6万円（月額約6.8万円）で、40年間保険料を納付することで受給できます。
すべての国民共通
3. 保険料と受給額の推移
2024年度の国民年金保険料は月額16,980円です。保険料は段階的に引き上げられ、2017年度以降は16,900円前後で推移しています。40年間納付すると、総額約815万円の保険料を支払い、満額の年金（年額約81.6万円）を生涯受給できます。受給開始は原則65歳ですが、60歳から75歳の間で選択でき、繰り下げると年金額が最大84%増額されます。納付率は約76%（2022年度）で、低所得者には保険料免除制度もあります。
4. 制度の歴史的変遷
国民年金制度は60年以上の歴史を持ち、時代とともに進化してきました。1959年の法律制定、1961年の国民皆年金実現、1985年の基礎年金制度導入、2004年のマクロ経済スライド導入など、重要な改革が行われてきました。2016年には受給資格期間が25年から10年に短縮され、より多くの人が年金を受給できるようになりました。持続可能な制度を目指し、今後も改革が続けられています。
5. 実例から見る年金の恩恵
自営業を40年間続けたAさん（67歳）は、満額の基礎年金月額約6.8万円を受給しています。「国民年金だけでは厳しいが、iDeCoと合わせて月15万円あり、何とか生活できている」と語ります。また、会社員のBさん（65歳）は、基礎年金と厚生年金を合わせて月額約16万円を受給。「現役時代の半分程度だが、夫婦で年金があるので助かっている」と話します。さらに、70歳まで繰り下げ受給を選択したCさんは、月額約9.6万円（42%増）を受給し、「長生きすればするほど得になる」と満足しています。
（Aさんの例）
（Bさんの例）
（Cさんの例）
📚 参考文献・論文・実例記事
- 厚生労働省「国民年金事業の概況」令和4年度版
- 権丈善一『年金改革の正しい考え方――福祉国家の経済学』慶應義塾大学出版会、2021年
- 駒村康平『日本の年金制度――持続可能性への挑戦』岩波書店、2020年
- 日本年金機構「令和5年度国民年金保険料額」2023年
- 小塩隆士「公的年金制度の課題と将来展望」『季刊社会保障研究』第58巻、2022年
- 朝日新聞「国民年金60年――すべての国民に老後保障を」2024年4月1日記事
- 日本経済新聞「年金繰下げ受給が増加中――75歳選択で84%増額」2023年9月12日記事
- 厚生労働省「令和6年財政検証結果」2024年
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