🏥 国民健康保険法 🏥
すべての人に医療保障を ― 国民皆保険の礎
📑 目次
- 国民健康保険の理念と加入者数
- 財源構成と保険料の実態
- 自己負担と給付の仕組み
- 市町村国保と国保組合の比較
- 実例から見る制度の恩恵
1. 国民健康保険の理念と加入者数
国民健康保険法は、1958年に制定され、自営業者、フリーランス、無職者、年金生活者など、被用者保険に加入していないすべての人を対象とする医療保険制度です。約2,700万人が加入し、健康保険と合わせて国民皆保険を実現しています。1961年に国民皆保険が達成されて以来、60年以上にわたり、すべての国民が経済的理由で医療を諦めることのない社会を支え続けています。市町村または国民健康保険組合が運営主体となり、地域医療の基盤を形成しています。
2. 財源構成と保険料の実態
国民健康保険の財源は、保険料(税)約40%、公費約50%、その他約10%で構成されています。2018年度から都道府県が財政運営の責任主体となり、市町村とともに国保を運営する体制に移行しました。保険料は所得割、均等割、平等割などの組み合わせで算定され、市町村によって異なります。全国平均の保険料は年間約10万円(1人あたり)で、低所得者には最大7割の軽減措置があります。
3. 自己負担と給付の仕組み
医療費の自己負担割合は、義務教育就学前2割、就学後から70歳未満3割、70歳以上75歳未満2割(現役並み所得者は3割)となっています。高額療養費制度により、月額の自己負担には上限があり、一般所得者(年収約370万~770万円)は月額約8万円が上限です。出産育児一時金50万円、葬祭費5万円なども支給され、生活の節目でのサポートも充実しています。
4. 市町村国保と国保組合の比較
国民健康保険には、市町村が運営する市町村国保と、同種の事業や業務に従事する人で構成される国保組合があります。市町村国保の加入者は約2,500万人、国保組合は約200万人です。国保組合は医師国保、建設国保、税理士国保など約160組合があり、職域ごとの特性に応じた保険給付や保健事業を実施しています。保険料は国保組合の方が低い傾向にありますが、加入条件が限定されます。
| 項目 | 市町村国保 | 国保組合 |
|---|---|---|
| 加入者数 | 約2,500万人 | 約200万人 |
| 運営主体 | 市町村・都道府県 | 各国保組合(約160組合) |
| 平均保険料 | 年間約10万円 | 年間約7万円 |
| 加入条件 | 居住する市町村の住民 | 特定の職業・業種 |
5. 実例から見る制度の恩恵
フリーランスのデザイナーAさん(38歳)は、急性虫垂炎で緊急手術を受けました。医療費総額は約50万円でしたが、3割負担と高額療養費制度により実際の自己負担は約9万円に。「国保に加入していて本当に良かった」と語ります。また、自営業のBさん(65歳)は、保険料の軽減措置により年間保険料が約3万円に減額。「収入が少なくても医療保険に加入でき、安心して病院に行ける」と感謝しています。さらに、出産したCさん夫婦は、出産育児一時金50万円により経済的負担が大幅に軽減されました。
9万円
(Aさんの例)
(Bさんの例)
(Cさんの例)
📚 参考文献・論文・実例記事
- 厚生労働省「国民健康保険事業年報」令和3年度版
- 島崎謙治『日本の医療制度――制度の進化とこれからの課題』東京大学出版会、2020年
- 尾形裕也『医療政策を問いなおす――国民皆保険の将来』ちくま新書、2019年
- 厚生労働省「国民健康保険制度の概要」令和5年度版
- 芝田英昭「国民健康保険の財政構造と都道府県単位化の課題」『社会政策』第12巻、2021年
- 朝日新聞「国保が支える命――フリーランス増加時代の医療保障」2024年3月10日記事
- 日本経済新聞「国民健康保険の現状と課題――持続可能な制度へ」2023年11月5日記事
- 全国国民健康保険組合協会「国保組合の現状」2024年


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