PR

身体障害者補助犬法~共生社会を支える、心優しきパートナーたち~

法律と手続き
身体障害者補助犬法 – 共生社会を支えるパートナー

身体障害者補助犬法

共生社会を支える、心優しきパートナーたち

身体障害者補助犬法とは

身体障害者補助犬法は、2002年5月29日に公布され、同年10月1日より施行された法律です。この法律は、身体障害者の自立と社会参加を促進することを目的としており、盲導犬・介助犬・聴導犬という3種類の補助犬の訓練基準や、施設における受け入れ義務、ユーザーの責任などを明確に定めています。

🎯 法律の目的

身体障害者補助犬を訓練する事業を行う者および使用する身体障害者の義務等を定めるとともに、国等が管理する施設、公共交通機関等を利用する場合において補助犬を同伴できるようにするための措置を講じ、補助犬の育成と使用者の施設利用の円滑化を図ることで、身体障害者の自立と社会参加を促進します。

2002年
5月29日 – 身体障害者補助犬法が公布
10月1日 – 法律施行、公共施設・交通機関での受け入れ義務化
2003年
10月1日 – 民間施設(ホテル・デパート・レストラン等)での受け入れ義務化
2008年
4月1日 – 従業員数45.5人以上の民間企業での受け入れ義務化

3種類の補助犬の役割

🦮 盲導犬(もうどうけん)

視覚障害のある方が安全に歩けるようサポートする犬です。白または黄色のハーネス(胴輪)を装着しており、段差、障害物、曲がり角の3つを教えてくれます。信号の色は判別できませんが、横断歩道の手前まで誘導してくれます。約75年の歴史を持ち、日本で最も多く活躍している補助犬です。

🐕 介助犬(かいじょけん)

肢体不自由のある方の日常生活動作をサポートする犬です。落とした物を拾う、指示した物を持ってくる、ドアの開閉、冷蔵庫からペットボトルを運ぶ、靴下を脱がせる、車いすを引っ張るなど、使用者のニーズに応じた様々な作業を行います。緊急時には電話の子機を持ってきたり、緊急通報ボタンを押すこともできます。約30年の歴史を持ちます。

🐶 聴導犬(ちょうどうけん)

聴覚障害のある方に生活上必要な音を知らせる犬です。目覚まし時計、玄関のチャイム、キッチンタイマー、火災報知器、車のクラクションなどの音を身体にタッチして知らせ、必要に応じて音源まで誘導します。外見から分かりにくい聴覚障害を周囲に知らせる目印としての役割もあります。小型犬から大型犬まで様々な犬種が活躍しており、保護犬が訓練を受けて聴導犬になることもあります。約45年の歴史を持ちます。

補助犬の現状と実働頭数

盲導犬
768

2025年3月31日現在

介助犬
60

2024年10月1日現在

聴導犬
52

2025年10月1日現在

補助犬種類別実働頭数比較

768頭
盲導犬
60頭
介助犬
52頭
聴導犬

📊 需要と供給のギャップ

盲導犬を希望する視覚障害者: 約3,000人(全国の視覚障害者約31万人のうち)

介助犬を必要とする肢体不自由者: 約15,000人

現在の総実働頭数: 880頭(盲導犬768頭 + 介助犬60頭 + 聴導犬52頭)

補助犬を希望する障害者の方々に対して、実際に活躍している補助犬の数はまだまだ不足しているのが現状です。補助犬1頭の育成には約300万円〜500万円の費用がかかり、その約90%が寄付によって賄われています。

法律が定める受け入れ義務

身体障害者補助犬法では、以下の施設において補助犬の同伴受け入れが義務付けられています。「犬だから」という理由での受け入れ拒否は法律違反となります。

  • 公共施設: 国や地方公共団体が管理する施設(官公庁、図書館、公民館等)
  • 公共交通機関: 電車、バス、タクシー、飛行機、船舶等
  • 不特定多数が利用する民間施設: ホテル、レストラン、デパート、スーパー、病院、劇場、映画館等
  • 職場: 国や地方公共団体の事務所、従業員45.5人以上の民間企業
  • 民間住宅: 補助犬使用を拒まないよう努力義務(マンション、賃貸住宅等)

✅ 補助犬は安心・安全です

補助犬は厳しい訓練を受け、国が認定した犬です。以下の点で一般のペットとは異なります:

  • 使用者の指示のもと、指定された場所でのみ排泄するよう管理されている
  • 予防接種・定期健診を受け、健康管理が徹底されている
  • シャンプー・ブラッシングで体を清潔に保っている
  • むやみに吠えたり、他の人に飛びついたりしない
  • 認定番号と表示をつけており、認定証と健康管理手帳を携帯している

補助犬ユーザーの義務

補助犬を使用する障害者には、以下の責任と義務が課せられています:

  • 行動管理: 補助犬が適切に行動するよう常に管理し、他者に迷惑をかけない
  • 衛生管理: シャンプー、ブラッシング等で犬の体を清潔に保つ
  • 健康管理: 予防接種・定期健診を受けさせる
  • 表示の義務: 補助犬であることを示す表示(ハーネス、ケープ等)をつける
  • 認定証の携帯: 身体障害者補助犬健康管理手帳と認定証を所持し、求められた時に提示する

これらの義務を果たすことで、補助犬は社会の中で安心して受け入れられる存在となっています。

まとめ

身体障害者補助犬法は、障害のある方々の自立と社会参加を支える重要な法律です。盲導犬・介助犬・聴導犬という3種類の補助犬は、それぞれの障害特性に応じて使用者の生活を支え、生活の質を大きく向上させています。

法律施行から20年以上が経過しましたが、まだまだ補助犬に対する理解は十分とは言えません。街で補助犬を見かけたら、以下のことを心がけましょう:

  • 補助犬は仕事中です。話しかけたり、触ったり、食べ物を与えたりしない
  • 施設や店舗では「犬だから」という理由で受け入れを拒否しない
  • 横断歩道で視覚障害者を見かけたら「青になりましたよ」と声をかける
  • 困っている様子があれば「何かお手伝いしましょうか?」と声をかける

一人ひとりの理解と協力が、真の共生社会の実現につながります。補助犬とそのユーザーが安心して生活できる社会を、みんなで作っていきましょう。

📚 参考文献・資料

厚生労働省(2024)
「身体障害者補助犬」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/hojoken/index.html
特定非営利活動法人 日本補助犬情報センター(2024)
「介助犬の頭数について」「聴導犬の頭数について」
https://www.jsdrc.jp/
社会福祉法人 日本盲人社会福祉施設協議会(2025)
「盲導犬年次報告書」盲導犬実働頭数:768頭(2025年3月31日現在)
https://www.ncawb.org/guide-dog/
社会福祉法人 日本介助犬協会(2024)
「介助犬について」実働頭数:56頭(2024年10月現在)
https://s-dog.jp/about-servicedogs
兵庫盲導犬協会
「身体障害者補助犬法とは」
https://www.moudouken.org/about-guide-dog/law/
埼玉県(2024)
「身体障害者補助犬について」県内稼働数:約50頭
https://www.pref.saitama.lg.jp/a0604/hojoken/index.html
e-Gov法令検索
「身体障害者補助犬法」(平成14年法律第49号)
https://laws.e-gov.go.jp/law/414AC1000000049

© 2025 身体障害者補助犬法解説記事 | 本文:約1,200字

すべての人が安心して暮らせる共生社会の実現を目指して

コメント

タイトルとURLをコピーしました