ローカル経済の未来は“農”にある？―若者×スマート農業

1. はじめに：なぜ今“農”なのか

地域経済の活性化と若者の就業という2つの課題を同時に解決する手段として、いま注目されているのがスマート農業です。高齢化が進む農村地域で、若者がテクノロジーを武器に“農”に挑む姿が、全国で見られるようになっています。

スマート農業とは、AI・IoT・ドローンなどの先端技術を活用して農業の効率化・自動化を目指す手法。農水省も推進しており、「人手不足」「気候変動」などの課題解決が期待されています（農林水産省「スマート農業の推進」2023）。

岩手県花巻市では、地元出身の若者がIoTセンサーを用いたトマト栽培に挑戦。YouTubeチャンネル「農業テック大学」でも取り上げられ、テクノロジー×農業がリアルな現場でどう機能しているかが分かります。

高知県では、ドローンによる農薬散布が導入され、中山間地域の農作業が大幅に効率化。北海道帯広市では、スマート農業スタートアップと地元大学が連携し、持続可能な農業モデルが実証実験中です。

一方で、導入コストやデジタル人材不足といった課題も。だからこそ、地域の支援体制や教育機関との連携が今後の鍵となります。テクノロジーだけでなく、人と地域の関係性が未来を形づくるのです。

次回は「教育×農業―高校生が変える地域の営農スタイル」と題し、農業高校と地元の連携事例を紹介します。

参考資料：
・農林水産省「スマート農業の推進」
・YouTube「農業テック大学」
・『地方創生とスマート農業』（日経BP, 2023）